さよならアニメーションの無意識たち
――スーザン・ピット、ブルース・ビックフォード、Rosto
追悼爆音上映

In 2019, three great animation filmmakers passed away: Susan Pitt (1943-2019), Bruce Bickford (1947-2019), and Rosto (1969-2019). All of these three artists have been working on the expression of the unconscious through animation. By showing their masterpieces with the setting of BAKUON screening, the festival tries to look back at their achievements.

Screening

Suzan Pitt

  • Asparagus (United States / 1979 / 0:18:10)
  • Joy Street (United States / 1995 / 0:24:00)


Bruce Bickford

  • Prometheus’ Garden (United States / 1989 / 0:28:00)
  • Atiila(無音)(United States / 2016 / 0:02:38)


ROSTO: THEE WRECKERS TETRALOGY

  • No Place Like Home (Netherland / 2008 / 0:06:10)
  • Lonely Bones (Netherland / 2013 / 0:10:00)
  • Splintertime (Netherland / 2015 / 0:11:00)
  • Reruns (Netherland / 2018 / 0:14:30)
Suzan Pitt


Bruce Bickford

1947年アメリカ生まれ。高校時代に手にした8mmフィルムを手に、独学でクレイ・アニメーションを作り始める。アメリカ海軍としてベトナム戦争に従軍後、本格的にアニメーション制作をスタート。フランク・ザッパに才能を認められ、「Baby Snakes」などでコラボレーションを行う。その後、シアトル近郊の生家に戻ったビックフォードは、母親が遺産として残した家にこもり、極小と極大が必然的に混ざり合う宇宙的メタモルフォーゼ・アニメーションの制作に専念。『プロメテウスの庭』などのクレイ作品、『このマンガはお前の脳をダメにする』などの線画アニメーション作品を遺す。2004年に公開されたドキュメンタリー『モンスターロード』では、その驚愕の人生と(255歳まで生きるための)私生活が明らかにされ、作家本人にも注目が集まる。晩年は1000ページ以上に及ぶグラフィック・ノベル制作を行っていた。自宅のガレージには、いまだに撮影されないままの線画アニメーションの原画が一時間以上残っていると言われており、ビックフォードの創造世界は、その死後もまだ尽きることがない。


ROSTO

映画監督、アーティストのROSTOと彼のスタジオStudio Rosto A.Dは、ミュージックビデオやテレビ向け作品の制作に加え、インディペンデント映像作品により国際的に知られている。『(the rise and fall of the legendary) Anglobilly Feverson 』(2001)は、いくつもの国際映画祭を席巻した最初の作品で、彼の作品を世界的に知らしめた。次の短編作品『Jona / Tomberry』はカンヌ国際映画祭2005でグランプリを受賞、その後「Mind My Gap」の三部作を完成させる。「Mind My Gap」は、Studio Rosto A.Dによる音楽、映像、印刷物によって拡張されたオンラインコミックのメディアミックスプロジェクトで、映像の概要と関連作品は、2008年のアヌシー国際映画祭とリュブリャナ近代美術館(2015年)を含むいくつかの国際映画祭で展示された。音楽は常にロストの仕事の原動力となっている。彼の作品は国際的なアーティストの注目を集め、その結果が、『The Monster of Nix』におけるメトロポール・オーケストラ、レジデンツ、テリー・ギリアム、トム・ウェイツとのコラボレーションである。 ROSTOの映像作品は、比類なきものとしてリリースされた『The Monster of Nix』でさえ30分のため劇場向きでない。『With Reruns』(2018)は、4つのミュージカル映画からなるシリーズ「レッカーズ・テトラロジー」を締めくくる作品だ。