マスタークラス
映画祭アーティスティックディレクター
ダニエル・スールジック
「ザグレブ国際アニメーション映画祭受賞作品&
クロアチア作品 ベストセレクション」

1972年より世界最高のアニメーションを祝福する――Animafest Zagreb ザグレブ国際アニメーション映画祭を垣間見る――近年の受賞作品とクロアチア作品

1972年設立のザグレブ国際アニメーション映画祭はアニメーション芸術に捧げるものとしては世界で二番目に歴史のある映画祭です。その主要な哲学は、映画作家による映画作家のための映画祭ということでありつづけている。エミール賞、アカデミー賞、アニー賞の対象映画祭でもある。
(新千歳のフェスティバル・ディレクターの)土居伸彰から、ザグレブ映画祭とは何かについて60分のプログラムにまとめてくれと言われたとき、すぐに息詰まってしまった。受賞作品、テーマ別プログラム、作家の回顧上映、特別プログラム、学校や国の特集、そういったものを「代表する」作品を選ぶというだけでも、5時間を簡単に超えてしまった。最終的に土居伸彰はここ数年のグランプリ作品を中心にしつつ(それはザグレブがグランプリとして最先端の作品を選ぶものであるということで映画祭を象徴する)、クロアチアの作品も添える(映画祭がクロアチアのアニメーション氏を尊重するものであることを象徴)ことを提案した。この映画祭がASIFAの先導によって、ザグレブ派が1950年代から80年代にかけて築いてきた創造的なインパクトを背景に設立されたことを考えると、そのアイデアは良いものに思えた。それらの作品に加え、ゴールデン・ザグレブ賞を受賞した作品も一本加えた。創造性および革新的な芸術的達成に対して与えられる賞で、我々にとっても最も重要な賞のひとつである。ザグレブの映画祭が何なのか、簡潔にまとめるとすれば……これこそが答えである!

ZはZagrebのZ!

ダニエル・スージック
Animafest Zagreb ザグレブ国際アニメーション映画祭アーティスティック・ディレクター

上映作品

Cyclists

Veljko Popović
Croatia, France / 2018 / 7′ 23”

Endgame

Phil Mulloy
United Kingdom / 2015 / 7′ 20”

Nighthawk

špela čadež
Slovenia, Croatia / 2016 / 8′ 50”

The Inspector Returned Home

Natroslav Mimica
Croatia / 1959 / 11′ 34”

水準原点

折笠 良
Japan / 2015 / 6′ 41”

Mačka

Zlatko Bourek
Hrvatska / 1971 / 10′ 10”

La Chute

Boris Labbé
France / 2018 / 14′ 22”

ゲストプロフィール

ダニエル・スージック
[ザグレブ国際アニメーション映画祭アーティスティック・ディレクター/アニメーション作家]

ダニエル・スージックはザグレブ生まれのアニメーション映画監督・ミュージシャンで、ザグレブとウィーンを拠点にしている。その作品は世界中の映画祭で数多く上映、様々な映画祭の審査員や回顧上映も行っている(シュトゥットガルト、モンストラ、スーパートゥーン、アニフィルム、アニバーなど)。アニメーション、音楽、イラスト、サウンド・デザイン、DJの分野で活動。現在は、新作制作に加え、ロッポンギという名のエレクトリック・バンドで音楽のプロデュースもしている。2011年からはアニマフェスト・ザグレブのアーティスティック・ディレクターを担当。2010年から2012年にはクロアチア・オーディオ=ビジュアル・センターにてアニメーション映画のコミッショナーをする。2013年から2017年にはザグレブ市の文化カウンシルのメンバー(映画部門)、2017年からはエミール・ヨーロッパ・アニメーション・アワードのアンバサダー(クロアチア担当)、2018年からはザグレブ芸術大学のアニメーション・ニューメディア学科にてアニメーションの准教授をしている。

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